2020年11月26日 BLOGブロックチェーンはほとんど役に立たない?(小川 晃平)

ブロックチェーンはほとんど役に立たない?

 

ブロックチェーンはほぼ役に立たない?

JBAの小川です。

またブログ更新のために記載します。

 

最近よく言われること

ブロックチェーンに関する依頼や、ブロックチェーンの開発依頼があるんですけど、ヒアリングをしている中で、9割型言い返す言葉は『開発コストも運用コストも高すぎるので、普通のDBで良いのではないですか?』です。つまり、ほとんどのケースの場合、ブロックチェーンの有用性がなく、普通のデータベースで十分ということです。また、残りの1割で返している言葉は、『金融規制の範囲内ことなので、かなりの金額と時間を弁護士を利用した法律整理に費やすことになりますが、大丈夫ですか?』です。

 

バズワードとしてのブロックチェーン

単なる深層学習や機械学習を一切使わずに、プログラミングでロジック組んだシステムを、AIを利用したXXXといっていたり、ほとんどがバズワードです。

つまり「ブロックチェーンを利用したxxx」もバズワードなので、開発やればなんとなくお金稼げるし、なんとなく依頼が来ます。特に日本の場合、SI文化が発展しており、社内の内部に技術とビジネスを理解している人材が他国に比べると欠けているので、特に外部に対する依頼が多いのかもしれません。昨今のビジネスにおいて、技術的なことを理解できる人材を把握しておくことは必須項目であり、少なからず、ビットコインやイーサリアムをベースとした書籍を複数冊購入し、自分でターミナルを叩いたり、プログラミングを行うことで、どのような有用性が存在しているかを把握し、これが自身が所属している分野に役立つのか?役立たないのか?を常々考えておく必要があるでしょう。

 

実用化が始まり始めている分野

そんなブロックチェーンも、確実に利便性が高まるとされている分野があります。金融の分野と法律の分野です。また、トレーサビリティの分野もいいのかもしれません。ここからは個人的な主観の意見になりますが、民間企業で使うときに最大の利便性となると想定されているのは、コンソーシアム型のブロックチェーンだと思います。その理由は、中小企業やスタートアップが参加できる可能性が高まるからです。

そもそも、複数社が利用するための共通のシステム基盤を作る場合は、社団法人・公益財団など合議制で決められる団体を作ることが多いです。銀行間で使われている全銀ネットや不動産の物件登録に利用されているレインズなどが、私たちが生活で利用する中で間接的に接することが多いので有名だと思います。

その団体で作るシステムの多くは、SI企業が発注を受けて、そのシステムを開発し、運用を行っています。一方で、そのシステムを使うためには、その団体に多額のお金を払い、システムを利用する必要があります。また、審査制が用いられることが多く、全銀ネットは、銀行系、農業協同組合系、信用金庫と言った歴史がある会社しか繋ぎ込むことができません。このような閉ざされた世界をブロックチェーンであれば、開けることができ、より公平な競争が産まれる可能性が高いです。

 

零細企業も安心して使えるブロックチェーン

コンソーシアム型で利用される合意アルゴリズムは、PoS・DPoSが多いことが想定されています。それは、そのブロックチェーンのノードを独自に立てることで、自社のシステムだけを利用してトランズアクションの中身の整合性のチェックを行うことが可能です。また、PoS・DPoSでは、特定のノードが大きな権限を持つことができます。特定のノードが大きな権限を持つ場合のメリットは、大企業のような信用がおける機関が中身の検証を行うことで、トランズアクションの中身を正しく保てると言うポイントです。

こうすることで、承認を大企業のように社会的に信頼されていてガバナンスがしっかりしている企業。参加者は、スタートアップや、個人を含めた企業としたりすることがもちろん可能になるはずです。

 

実現に向けた問題

すでに10年以上インターネット業界にいますが、実現に向けた問題は、『SI企業に腕の良いエンジニアが減ってきていること』だと思います。一昔前であれば、大手SI企業出身ということは一つのブランドでしたが、この10数年で大きくスタートアップ、インターネット界隈が進化し、給与水準も変わらなくなってきました。そのため、SI企業は案件一つ一つが大きいという魅力もありますが、スピード感が遅く、枯れた技術を使うことも多いので、最先端を走るエンジニアが興味を持つことは少ないです。

 

問題への解決策

この問題を解決する方法は2つです。ベンチャーやスタートアップと言われるインターネット企業の活用を増やしていくこと。もしくは、社内制度を変えたりし、フリーランスなどの個人で優れている人材を活用したり、自社でエンジニアを社員として採用したりすることで、高度なテクノロジーも内製化し作れるようにやることです。

 

最後に

ブロックチェーンは、素晴らしい技術です。部分的ではあります。これまでの慣習を、壊したりするのは、少しハードルが高いかもしれませんが、社会を良くするためには、必要なことと捉えて、挑戦して欲しいです。

 

 

※こちらのブログは公開日(2020.11.26)から2週間後に会員限定公開から一般公開に切り替わりました。

投稿者:

PREV NEXT