
明けましておめでとうございます。
一般社団法人日本ブロックチェーン協会 代表理事の加納裕三です。
新年を迎え、謹んでご挨拶申し上げます。
昨年もJBAの活動に対し、会員の皆様をはじめ、関係各位より多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。
昨年は、我が国の暗号資産を取り巻く制度環境が、歴史的な転換点を迎えた一年であったと受け止めております。世界各国において、暗号資産を金融・経済インフラの一部として位置づける動きが加速する中、日本においても制度整備が着実に前進しました。
まず、暗号資産を金融商品取引法の枠組みの中で整理し、利用者保護や説明義務などのルールを整備していく方向性が示されたことは、日本の暗号資産市場の信頼性を高める重要な一歩となります。取引の透明性向上や情報開示の充実により、より多くの利用者が安心して市場に参加できる環境が整備されることは、健全かつ持続的な市場発展に不可欠であると考えています。
こうした制度検討の過程において、JBAも金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」にオブザーバーとして参加し、利用者保護のさらなる強化と持続的なイノベーションの推進を両立させる観点から、現場の実態を踏まえた提言を行ってまいりました。
また、12月に閣議決定された税制改正大綱では、暗号資産税制について、金融商品取引法等の改正を前提に、20%の分離課税とする方向性が明確に示されました。これは、極めて大きな意義を持つものです。
JBAとしても、税制改正要望書の提出などを通じ、分離課税の導入や損失繰越控除の必要性について、継続的に意見発信を行ってまいりました。今回、現物取引に加え、デリバティブ取引について検討の方向性が示されたことは、こうした要望が本格的な制度議論の俎上に載ったものと認識しております。
税率のみならず、取引・申告手続きの煩雑さが個人の参入意欲を低下させている点も課題です。JBAとしては、源泉分離課税の実現を含め、実務に即した税制の提言を続けてまいります。
一方で、市場の拡大に伴い、セキュリティやガバナンス、利用者保護の重要性はこれまで以上に高まっています。JBAとしても、業界団体としての責任を改めて自覚し、制度設計と実務の橋渡し役を果たし、信頼性の高い市場づくりに引き続き取り組んでまいります。
ブロックチェーンは、金融分野にとどまらず、さまざまな産業や社会課題の解決に資する基盤技術です。サプライチェーンでのトレーサビリティ確保をはじめ、上下水道など生活インフラの維持管理といった分野でも、活用の可能性が検討されています。国内において健全で持続可能な市場環境を整備し、産業の成長と社会実装を着実に進めていくことが重要であると考えています。JBAは、会員の皆様とともに、その実現に向けた取り組みを一層進めてまいります。
本年が、ブロックチェーン産業にとって、そして会員の皆様にとって、さらなる飛躍の年となることを心より祈念するとともに、引き続き変わらぬご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人 日本ブロックチェーン協会
代表理事 加納 裕三