2025年6月16日 NEWSJBA代表理事 再任のご挨拶

2025年6月16日に開催された理事会におきまして、今年度も引き続き代表理事を拝命いたしました。
引き続き、JBAの運営に尽力してまいります。

この1年、JBAでは、web3の社会実装と健全な事業環境の整備に向けた取り組みを着実に推進してまいりました。とりわけ、法制度に関する検討、セキュリティ対策の強化、公共・産業分野における活用事例の共有を通じ、事業者の知見が制度の方向性に反映されるよう、実効的な働きかけを重ねてまいりました。

暗号資産を取り巻く環境は急速に変化しています。米国ではビットコイン現物ETFが金ETFを上回る資金を集め、国家レベルでの備蓄の動きも報じられるなど、暗号資産はグローバルなアセットクラスとしての存在感を増しています。

日本においても暗号資産を資金決済法の枠組みから、金融商品取引法のもとに置くべきかという議論が本格化しています。この制度的な転換期においては、投資家保護を徹底すると同時に、発行体や事業者による潜脱行為の防止も求められます。健全な市場を育成するためには、これらのバランスをとることが極めて重要です。JBAとしても、制度の方向性がイノベーションの芽を摘むことなく、業界の実態を踏まえたものとなるよう、引き続き提言を行ってまいります。

政策提言の面では、個人における暗号資産の課税について、総合課税から分離課税への見直しを求めるとともに、現物ETFの導入に合わせて税制も同時に見直すことを強く訴えています。あわせて、現状2倍にとどまっている個人向けレバレッジ規制についても、5倍~10倍程度への規制緩和を提案し、流動性のある健全な市場形成を支援してまいります。

セキュリティは市場の信頼性を支える根幹であり、業界全体で継続的に取り組むべき最重要課題の一つです。持続可能で強固な市場環境を構築していくためには、管理体制の抜本的な見直しに加え、業界に関わるすべての関係者の意識変革が不可欠です。JBAといたしましても、業界全体のセキュリティ水準の向上に向け、引き続き主体的な取り組みを推進し、皆様から信頼される健全な暗号資産市場の形成に全力を尽くしてまいります。

業界の裾野を広げ、次世代を担う人材を育成することを目的とした基礎研修や、会員の皆様が事業推進の参考となる気づきや示唆を得られるよう、定例勉強会も積極的に開催しております。制度や市場環境の変化を的確に捉える場として、引き続き質の高い学びと交流の機会を提供してまいります。

今後も日本におけるweb3の社会実装と産業発展を支えてまいります。
引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

一般社団法人 日本ブロックチェーン協会
代表理事 加納 裕三

PREV NEXT