政策提言 | 2023年7月28日暗号資産に関する税制改正要望(2024年度)

一般社団法人日本ブロックチェーン協会(所在地:東京都港区。代表理事:加納裕三。以下、JBAという。)は、7月27日(金)、暗号資産に関する税制改正要望を政府に提出いたしました。

本要望書では、法人が web3 事業を日本で営む最大の障壁であり、かつ、国民が積極的に暗号資産を保有・利用することの阻害要因になっている暗号資産の税制の見直しを求めています。日本が web3先進国として国内外で認知されるとともに、新しい産業である web3の経済圏が拡大し、変革を迫られている日本経済の今後の成長に大きく貢献することに期待するものです。

要望1:第三者発行による暗号資産を保有する法人への期末含み益課税の撤廃

第三者発行による暗号資産を取得した法人が保有する短期売買目的以外の暗号資産に対する期末時価評価課税から、帳簿価額による評価とすることにより、期末含み益課税を撤廃すること。現状のブロックチェーン業界において国内資本企業の参入障壁の高さの要因となっている第三者発行トークンに対する期末含み益課税を撤廃し、web3業界への新規参入を促すとともに国内法人によるweb3事業を営める環境を促進すること。

要望2:申告分離課税・損失の繰越控除の導入

個人の暗号資産取引にかかる利益に対する課税方法を、総合課税から申告分離課税に変更し、税率を一律20%とすること。また、損失を出した年の翌年以降3年間、その損失を繰り越して、翌年以降の暗号資産に係る所得金額から控除することができるようにすること。暗号資産デリバティブ取引についても同様の扱いとすること。なお、頻繁に海外・国内の業者間で暗号資産の移管が行われる暗号資産交換業者にとって、顧客の暗号資産の取得価格を手に入れることは困難であることから、源泉分離課税ではなく申告分離課税を要望する。

要望3:暗号資産同士の交換時における課税の撤廃

個人が暗号資産同士を交換した場合には、その交換の都度、発生した利益について所得税が課税される。ボーダーレスであるweb3時代の決済においては、暗号資産同士の交換が経済圏の主流となる可能性が高く、発生するトランザクションや交換する暗号資産の種類が多岐に渡ること等から、納税計算が非常に煩雑になり、暗号資産が本来もつ利便性を著しく阻害している。ついては、暗号資産同士の交換に対する課税を撤廃すること。

 

JBAは引き続き、web3 推進のための環境整備に取り組んでまいります。

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